明治民法は葬式と墓の形にも影響を与えた。葬式と墓に関係のある条項はこれである。「系譜、祭具及ヒ墳墓ノ所有権ハ家督相続ノ特権ニ属ス」(第九八七条)家督を相続する者(多くは長男)が祭具と墳墓も所有する。だから当時の喪主はほとんど長男であった。葬儀は家督を相続した「次の戸主」のお披露目も兼ねていたのである。「系譜、祭具及ヒ墳墓」とは、平たくいえば仏壇と墓のおもりである。これを契機として、はじめて登場した墓の形がある。「○○家代々之墓」という、私たちが現在もっとも見慣れている、あのスタイルの墓だ。だいたいまあ、あの形は火葬でなければ無理であろう。土葬なのに「先祖代々之墓」が可能かどうか考えてみてほしい。同じ場所を何度も掘って、次々に棺を埋められるかどうか。
四十二歳の大厄がある。よく言われるように「死」の訓読みで凶運にみまわれるといった迷信の最たる例である。「四十二歳の二つ子」という口碑がある。四十二に二を加えると四十四となるので「死に死を重ねる」ことになる。さらに「死に」にあたる四十二歳のときや、四十一歳で子が生まれた場合、生児をいったん捨てる捨て子の習俗がある。箕の中に入れて辻に捨てるふりをした。これはあらかじめ拾ってもらう約束をした人に拾ってもらうのである。そして拾ってもらった人と捨て子の間には仮の親子の関係が生じて一生のつきあいとなった。『和漢三才図会』には、このことについて、男四十二を大厄と為す、前年を前厄と謂い翌年を跳厄と謂いて前後三年を忌む、或は四十一歳子を生めば則ち之を四十二の二歳子と謂いて之を忌み他姓を称して以て他人の子となすの類亦惑えるの甚しきものなりなどと説明している。
最近、スタイリッシュなブランドのエコバッグが、流行に敏感な女性たちの間で話題を集めた。「もったいない」を実践する新しいかっこよさが受け、ブランドイメージはアップした。「貧乏はいい。でも貧乏くさい人はイヤ」というある女優の言葉は、現代の若い女性だもの気分を代弁している。ブランドのエコバッグの流行は、その表れではないだろうか。ムダを省いたシンプルライフを実践する人も増えている。その意識は仕事にも必要なことだ。たとえば会社の備品。ボールペンや消しゴムなど、同じものがベントレーにたくさん入っていないだろうか。会社のものだからといってぞんざいに扱ったり、使ったらそこら辺に置きっぱなしにしたり、というケースもよくある。これはすべて会社の負担、ムダが増えると利益が減るということを肝に銘じて、一つ一つを最後まで使いきること。コピー一つでも、必要な枚数を意識することで、ずいぶんムダなコピーやミスコピーが減らせる。何をするにも「これは本当に必要?」と見直す癖をつけよう。あるオフィスの受付嬢がコピーの裏紙で、おしゃれで機能的なメモを作っていた。「もったいないですからね」というさわやかな笑顔に見ほれてしまった。何でもあふれている時代に「もったいない」は、とてもかっこよく、素敵なことだ。節約上手な仕事ぶりからは、物だけでなく人に対する優しさが伝わる。まずは社内でエコかっこいい人になろう。