10年度の診療報酬の改定は、前回の改定に引き続き、在院日数が短いほど保険点数が高くなり、退院や転院に加算がつくなど、病院経営を考えれば、早期退院を促し在宅医療を方向づけるような内容となった。「最期は在宅で」は理想かもしれないが、受け皿となる中小病院や地域や家庭、最終的に在宅医療を担う訪問看護の体制はあまりにもろい。在宅医療や在宅介護に追いやられた高齢者は孤独死を迎えることは少なくない。それを支える訪問看護ステーションで働く看護職は、09年で2万8082人。就業看護職全体の約2%にすぎない。在宅医療に制度が向かうなか、重要な役割を果たすが、需要を支えきれず疲弊している。そして、地域や家庭に戻った患者の現実に、訪問看護師の多くが胸を痛めている。東海地方の訪問看護ステーションで働くYさん(40代)は、利用者の暴言や暴力に直面するが、それでも、「孤独死する高齢者を看るよりは救われる気がする」と言う。それというのも、訪問看護の利用者には、特別養護老人ホームなどの入所待ちの高齢者が多く、待機している間に亡くなる人もたくさんいるからだ。Yさんが定期訪問に行くと、自宅でひとり亡くなっているケースを何度も経験した。地域に密着した訪問看護ステーションや訪問介護ステーションでは、頻繁に遭遇する孤独死の実態に、職員らがため息をつく。
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